最近M&Aマッチングサイトでとある会社を買いました。
M&Aマッチングサイトとは、オンラインプラットフォームなどのWebサービスを介し、M&Aの売り手と買い手をマッチングするサイトのことです。
前回、会社を買う方法について記事を書きました。
今回は、『起業すること』に比べて『会社を買うこと』のメリットについてまとめていきます。
ちなみに起業したときより、会社を買ったときのほうが家族や友人に驚かれました。
起業の場合
会社を買った場合
こんな感じの反応でした。
サラリーマンは300万円で小さい会社を買いなさいを読んで、会社買いは既にトレンドになっている(もしくはその流行りは既に廃れている?)と思っていたのはどうやら私だけだったのか・・・
それならば、せっかくなのであまり世に出回っていない「会社を買う」という選択肢のメリットについての記事を書いてみようと思います。
会社を買うことに興味がある方の参考になれば嬉しいです。
なぜ起業ではなくてわざわざ会社を買うの?
私は過去に起業して、5年間経営したのち会社を売却した経験があります。
なので、ネット上で溢れかえっている一般的な「会社を買うメリット」ではなくて、過去の自分の起業や経営にまつわる苦労、失敗から学んだからこその心の底からの叫び
「だから私は起業するのではなくて、会社を買うんだ!!!!」
について、感情たっぷりに書き連ねていこうと思います。
私が会社を買ったことで享受できたメリットは主にこの3つです。
- 会社を買う=時間を買う
- 会社を買う=のれんを買う
- 会社を買う=具体的な収益を見通せる
ご自身で既に起業しているかた、事業を経営されている方にはこの時点でなるほどなぁと共感してもらえるかもしれません。
が、そもそも事業経営未経験の方が多いと思いますので、それぞれのメリットについて1つずつ説明していきたいと思います。
会社を買う=時間を買う
実際起業してみると痛いほど実感しますが、会社を育てるのには時間とお金がかかります。
オフィスを構えるのもそう、素敵な従業員を見つけるのもそう、クライアントを見つけるのも、驚かれるかもしれないですが会社のサービスを確立するのにも時間がかかります。
会社立ち上げ時期は相当しんどい
起業しようと思って実際起業する人は、結構楽観的な思考の人が多い気がします。
考えるよりまずは行動、そう思える人が起業する傾向にあると思っていて、起業後の未来はとても輝いているプランを想像しがちです。
ですが、立ち上げ時期(従業員もお客様も安定するまでに時期)は相当しんどいです。
企業勤めしている人と比べると、メンタル的にも体力的にも大変なことが多々あります。
そう、そんなときに思うのは決まって
私自身、多くの「こんなはずじゃなかった!!!!」という起業あるあるを経験し、また乗り越えて、そして経営というものを身をもって学んでいくことが出来ました。
その経験は私には必要だったし、多くのものを習得できました。
でも、、、もう一度その大変な時期を数年間過ごすの??と考えたとき、私の答えは「NO!!!!!」でした。
私の場合は、自分の年齢や家族との生活仕様を含め自分が送りたい日々の生活を考えたときに、今は起業して戦うよりも、ある程度のお金を払ってしんどい時期をパスさせてもらい、落ち着いたスタートを切りたいという結論になりました。
会社を買う=のれんを買う
とはいえ、経営というのはそう簡単なものではないのです。
時間が経てば良い会社が出来上がるかといえば、残念ながら答えはNO。
時間をかけて、やるべきことをちゃんとするという積み重ねがあって、その中でも運が良ければ会社が続く、、、そういう厳しい世界なのかなと個人的には思っています。
私が今回買った会社は、その地域で30年近く続く会社です。
「30年間続いている会社」というと、皆さんどんなイメージを持ちますか?
私は真っ先に、「地元に根付いている(定着している)会社さんなんだろうな」と思いました。
実直な仕事を長くしてきて地元に愛されているんだろうなとも。
会社を買うことで、お金では買うことができない「認知度」や「信頼度」を手に入れることができるのです。
のれんとは、一般的に目に見えない資産を意味します。
「認知度」や「信頼度」はまさにのれんにあたります。
自分が会社を経営する中で、ビジネスをするエリアでの「認知度」や「信頼度」を築くのがいかに大変か、そして大切かは痛いほどわかっています。
会社を買うということは、立ち上げ時期の大変な時間を削減するだけでなく、買収会社の築いてきたのれんも譲ってもらうことができるのです。
会社を買う=具体的な収益を見通せる
そして3つ目のメリットです。
会社を買うことのメリットの一つとして、将来の収益を見通せることです。
起業する場合、ほとんどの人が損益分岐点だったり、売上予想だったりをたてると思いますが、高い確率でそれは外れます笑
会社を買う場合、過去の売り上げの傾向から収益のボトムラインを推測することは可能です。
収益のボトムラインを推測できればどれくらいのリスクを取る可能性があるかを把握することができます。
会社を経営するにあたって、思わぬリスクが多発することは日常茶飯事です。それは乗り越えるしかありません。
しかし、売上という継続的に目に見える数字が自分の予想していたものと違うと、日々のメンタルに影響し、想像以上に事業に悪い影響を及ぼしてしまうことがあります。
収益のボトムラインを推測し、最大限のリスク値を事前に知っておくことは思いのほか経営にとって大切だと私は思っています。
まとめ
今回は、起業することと比べて会社を買うことのメリット3つをまとめました。
勘違いしてほしくないのは
「起業に比べて、会社を買ったほうが絶対良い!!!」
と伝えたいわけではありません。
起業でしか経験できないことや、学べないことも多くあります。
ただ、自分の置かれた環境や能力によって起業するより会社を買ったほうが良い場合も多いです。
個人的な意見ですが、多くの選択肢を持った上で、自分のキャリアにより良いものを選ぶということが大切だと思っています。
そういう意味で、この記事を読んでくださった方が「会社を買う」というのも一つのオプションとして自分の中に持ってくれたら嬉しいです。