海外で生活をするうえで大切なことは、当然ですが住居の確保です。
子どもがいる場合は、学校を決めてからの住所探しになることもあります。(我が家がそうでした。)
不動産(マンション)を借りるといっても、日本と香港では制度が全然違います。
2020年はコロナで日本人が香港に入国してくることはあまりなかったらしいですが、今年に入り学校も正常に戻り、徐々に香港に戻り始めているようです。
不動産オタク(オタク過ぎて不動産会社設立した)の私が、今回は香港の不動産事情について日本のものと比較してみました。
香港では入居者よりもオーナーの立場の方が強い
日本に住んでいると当然すぎて意識すらしませんが、日本では入居者の立場が圧倒的に強いです。
日本には借地借家法という法律があります。
不動産(マンション)は生活の基礎になるので、その地位を脅かさないようにしましょうというのがこの法律の根本にあります。
要は不動産賃貸借契約において立場的に弱い入居者を法律で守るのが、借地借家法です。日本では、入居者は法律で立場を守られているんです。
その考えが、まず香港にはありません。
退去命令に従う必要あり
日本では、オーナーの都合で入居者にマンションから出てってと願いしても、入居者は退去する必要がありません。整合性のある理由(老朽化で大規模修繕が必要とか)があれば別です。
香港では、オーナーが出てってくれと言ったら入居者は退去しないといけません。なぜなら、不動産(マンション)はオーナーのものだから。その脆弱な立場が嫌なら不動産(マンション)買えばよし!という考えです。
残酷・・と思うかもしれません。でも、香港では普通です。受け入れるほかありません。
家具付きと家具なしがある
日本では家具なし物件が一般的です。
家具ありだと賃料が割高だし自分の好きなスタイルに部屋を作れないので、家具なし物件のほうが入居者に人気です。
自分の好きなインテリアにして快適な空間を作りたいと考えるのは当然のことだと思います。
ただ、もしその好きなインテリアを集めた最高の部屋を急に追い出されるとしたらどうでしょう??ショックは計り知れないし、そのこだわったインテリア代返せ!なんならインテリア集めに使った時間も返してくれ!と思いませんか???
香港にはこういう状況になる可能性が大いにあるのです。
長く住めないのであれば、引っ越しの度にイチイチマンションに合わせて家具家電にこだわるだけ無駄と考える人が多くいます。
そういった理由で、香港には家具付きマンションの需要が日本に比べてあり、日本より多くの物件が家具付き物件として賃貸に出されています。
家具付きのほうが家具なしよりは割高なものの、個人的な感覚としては賃料はオーナーさんの懐度合いというか性格によるところが大きいかなと思います。家具付きでも思わぬコスパ的にも良物件に出会えることもあります。
1年は住まないと損
香港ではオーナーさんの立場が強いというのは、前述したとおりです。
オーナーに退去しろと言われたら退去しないといけないのに、入居者は基本的にどんな理由があっても1年分の賃料は支払う必要があります。
例えば、香港に引っ越してきて半年でコロナが流行ってしまい、日本に帰国する場合、残りの半年分の賃料をオーナーに支払わないといけません。
日本では、短期違約金といって1年以内に入居者が出て行ってしまう場合に1か月分を支払うケースがあります。ただ、そのほとんどの場合は、入居時にフリーレント1か月分のメリットを享受していると思います。
香港は、どこまでもオーナーに有利な賃貸借契約ということは頭に入れておいてください。