私は香港にあるMBAのフルタイム生で、今年(2022年)に卒業予定(卒業単位取得済)です。
私はもともと香港に住んでいたことと、コロナ直前に会社を売却していて、キャリアがすっぽり空くのを防ぐために香港のMBAに行くことにしました。
MBA入学前と、入学直後、また卒業単位を取り終わった現時点では、
海外MBAに対しての自分の考えは全く違います。
MBAは、キャリアアップのために行く人がほとんど。
特に、外資コンサル、投資銀行、PEに行きたい人が多いです。
実際、海外MBAに行ってみてわかったことを今回記事にしてみようと思います。
MBA卒業しても日本人は現地就職は難しい
私は個人的にMBAに行って良かったなと思っています。
幸いMBAの授業料は手元資金で賄えたし、もともと働いていなかったし、コロナ禍だったので良い職につける期間でもなかったので、その間にMBAで勉強したりネットワークを作れたのはとてもプラスになりました。
ただ、実際MBAに通ってみて思ったのは、MBAに行ったからといって劇的に何かが変わるわけではない。。劇的どころか、そんなにスキルとかスペックとかは変わらないのではないかなと思うこともあります。
では、就職状況についてはどうなんでしょう。
MBAを卒業したからといって、実際良い会社に就職できるのか??
残念ながら、答えはNOです。。。
もちろん全員希望通りにできてないわけではないです。でも、ほとんどは上手くいっていません。
上手くいっていないという言い方は悪い印象を与えてしまうかもしれません。
入学前に期待していたキャリアにいくのはなかなか難しいというのが正確な表現かもしれません。
OBOGはほとんど日本に戻っているという事実
もし、この記事を読んで、「え?私の行くMBAは大丈夫なの??」と心配になったら、自分が行きたいと思っているMBAの卒業生の就職先(日本人限定で)をMBAのアドミッションオフィスに聞いてみてください。
出来れば、、、日本人卒業生全員分を。。。
伝えた通り、もちろんズバーンと希望する就職先に入っていく人もいるので、
その人のことを1人の卒業生として紹介されると。
「よし、自分も!!!」と思えるのですが、紹介される輝かしい就職先の卒業生は、卒業生の代表なところもあるので、出来れば直近の卒業生全員分を教えてもらうといいのではないかと思います。
MBA(特にフルタイム)入学が30代では遅い場合が多い
その理由の一つに年齢があるのかなと考えています。
キャリアチェンジを考えてMBAに入ってくる人は多いのが現状で、(特に金融&コンサルへのキャリアチェンジを考えてる人多いです。)30代でその業界未経験を採用するっていうことは普通に採用側の立場から考えると難しいようです。
JP Morganのサマーインターンですら、業界経験者かもしくは20代の未経験者(マンダリン話せる)が採用されていました。
日本人に限らず、インターンもフルタイムも年齢でふるいにかけられることが多いです。
あ、ちなみに私は2022intakeの中で最年長でした。
日本人は語学力で苦戦する
そして、何より私を含めて日本人は、他の国出身の生徒に比べて語学力が低すぎます。
MBAに入ったら語学は3か月で慣れるとかいうけど、それはなかなかの嘘かもしれません。。。
英語の聞き取りは大分楽にはなるけど、ビジネスの領域を英語でその場で瞬時に話すのは3か月では無理です。
香港のMBAは、中国本土、インド、ロンドン、カナダ、台湾、、いろんな国からクラスメートが集まっていますが、皆英語は不自由ないのです。
発音に癖があったとしても、授業の内容はきっちりわかるだけの語学力はあります。
加えて、香港だと英語だけではなくてマンダリンもしくは広東語を求められることもあります。
語学でおくれをとっている日本人は、ネイティブレベルの人たちが競合の中、面接に通るのはなかなか難しいです。日本語を応募要項にしている企業でチャレンジすることが必然的に多くなります。
海外現地採用の就職は条件があまり良くない
そして、日本人が海外で就職するのが難しいのは、日本人MBA生本人の特性ではなくて、企業側にも理由はあります。
少なくても私がいた香港では、雇用条件、、ストレートにいうとお給料面があまりよくないのです。。。
1,000万超えているものなんてそうそうないですよ。。。
(テンセントとかアリババとか中国系企業ならありました。)
香港は税金が安いから、手取りはそんなに変わらないよ!!!という人もいますが、、、
いやいや、その年収ベースで日本に転職で戻ったとき、手取りとんでもなく低くなるじゃん。。。(香港は、日本より所得税が格段に低いです。)と、思ってしまいます。
海外MBAまでいってお給料下げる必要性も見つからないし・・・
なぜこの状況があまり伝わっていないか
ちなみに私の分析というか実感として日本人が就職が難しいのは、決して日本人のレベルが低いというわけではないです。
少なくても私の日本人同級生は優秀で、頼りがいもあり、彼らのおかげで私も無事にMBAを卒業できます。
理想(入学前のMBAに対する期待)と現実のギャップというものが実際にかなりあるというのが大きな要因だと思っています。
では、なぜそんなことが起きてしまうのでしょう??
MBA予備校&大学自体は情報をオープンにしない
自分のリサーチ不足といえば、もちろんそれが理由なのですが。。。
基本的に、MBA予備校やMBAの大学が詳細な情報は出していません。
Financial times やEconomics のようなところのランキングだったり、卒業生の年収平均だったりは出ていますが、卒業生の個別の就職先と人数を具体的に出しているところはないはずです。
もちろん個人情報の観点もあるでしょうけど、個人情報を隠して就職先を並べることはできるはず。
私も実際、MBA卒業=すごいところに就職している人多い という勝手な認識のもとリサーチをあまりせずにMBA合格して脳内お花畑になっていた1人です。。笑
これもMBAや予備校のマーケティングといえば、まぁその通り。高いお買い物をどのようにするかは購入者次第なのかなと思います。
卒業生はMBA卒を自分のブランディングに利用したい
それに加えて、卒業生自身もMBAがすごいものだ!と思わせたいこともあるので、
マイナスな部分は広めようとはしません。自分の価値が上がらないですからね。
海外現地就職にあまり威力がないだけで、MBAを通した経験にはとても価値があるのでそこらへんの誤解はしないでほしいと思います。
私も、MBA CandidateのかたからLinkedinやFacebook経由でお話聞かせてください!とお願いされることもありました。皆さん礼儀がよくて気持ちの良い優秀な人ばかり。
といっつも言ってました。
もちろんクラスメートに希望している就職先に転職している人もいるので、マイナスのことばかり言うわけにもいかないです。それはそれで個人的感情になるので。
でも、ネット検索していると、卒業生の人でMBAホルダーっていうことをブランディングして必要以上に良く見せようという人も一定数見かけます。
そういうのを見ていると、「うーん、これは誤解を与えかねないな・・」と思ってしまうのです。
MBAだけが希望する転職先への切符じゃない
MBAを検討している人がこの記事を読んでくれているのかなと思うのですが、
例えば外資コンサル、投資銀行、PEに行きたい人への近道は決してMBAだけではないと思っておいてほしいです。
私の夫は、所謂そういう業界で働いていますが、MBAに行っていません。
もちろん夫のことを尊敬していますが、めちゃくちゃ頭が良いとかネイティブでもないです。
むしろ純ジャパで、社会人になってから英語の勉強始めたほどです。
それでも、然るべきタイミングで転職活動をして、然るべき努力をして就職できて・・今は香港でバリバリと働いています。
そういうのを見ていると、MBAだけがキラキラコースへの道ではないんだなと実感するし、自分がMBAに入学したからこそ、夫すごい!!!と思ってしまいました。
まとめ
何が言いたかったかといえば、
海外MBAに入ったからといって、希望している職種や就職先に行ける可能性はそこまで他価格ないんだよということです。
もし、海外で就職することが目標で高いお金を払ってMBAに行くのであれば、
再度自分の目標をしっかり考え直して、海外のMBAに行くのが最善かどうかを検討してほしいなと思っています。
海外で働きたいだけなら海外MBAはありだけど、人気の外資コンサル、投資銀行、PEにいきたいというなら、MBA以外の選択肢も一度検討してみるのもありかなと個人的には思います。