教育業界は、人々の生活や未来に深く関わる重要な分野です。その中でも、個別指導や集団学習を提供する塾は、子どもたちの学習の場として不可欠な役割を果たしています。ここでは、塾の買収を検討している方向けに、特に考えるべき3つのポイントを紹介します。
市場調査とビジョン
最初に考えるべきは、市場調査とビジョンの設定です。
どの地域で塾を運営するのか、その地域の子どもたちのニーズは何か、競合他社はどのようなサービスを提供しているのか、などを把握することが重要です。
そして、それらの情報を基に自社の塾がどのような塾になるべきか、つまりビジョンを明確に設定します。
市場調査はちゃんとしよう!
塾開業については、特別な免許や資格が必要なく、また自宅や自宅近くでも開業ができるため参入障壁が低いといえます。
実際、自分が塾を買収したときに驚いたのですが、想定以上に競合他社はいます。
それに加えて、少子化と国民年収の停滞感で教育費にかける金額も減少傾向。
ネガティブ要因が満載です。
フランチャイズか独立塾か
次に考えるべきは、フランチャイズ塾を買収するか、それとも独立した塾を買収するかです。
フランチャイズ塾は既存のブランドや教育ノウハウを利用できますが、フランチャイズ料や月額のロイヤリティを支払う必要があります。
また、経営の自由度も制約されます。一方、独立した塾は経営の自由度が高いですが、ブランドの構築や生徒の獲得などには時間と労力が必要です。
FC塾と非FC塾(独立型)のメリットデメリット
塾を買収する際に、フランチャイズ(FC)塾と非フランチャイズ(独立型)塾のどちらが良いかは、あなたのビジネスの目標や経営のスキル、予算などによります。以下に、それぞれの特性を示します。
フランチャイズ塾の買収:
- メリット:既存のブランドや教育ノウハウ、営業支援システムなどを利用できます。これは特に、初めて塾を経営する場合に有利です。また、フランチャイズ塾は名前の認知度が高く、生徒を集めやすい可能性があります。
- デメリット:フランチャイズ料やロイヤリティの支払いが必要であり、自由な経営が制約される可能性があります。また、フランチャイズ本部の方針に従わなければならず、自分のビジネスのビジョンを実現するのが難しい場合があります。
フランチャイズ加盟にかかる費用
塾のフランチャイズ(FC)に加盟する際のコストは、フランチャイザー(加盟元)により大きく異なります。初期費用、教材費、ロイヤリティ(使用料)、その他経営に必要な費用を含めると、数百万円から数千万円に及ぶことがあります。
初期費用は、フランチャイズ契約を結ぶ際にフランチャイザーに支払う費用で、一般的には加盟申込時または加盟承認時に全額支払います。この初期費用は、フランチャイズブランドの使用権、教育・研修、マニュアルの提供などに対する費用とされています。
次に、ロイヤリティは、定期的に(例えば毎月)フランチャイザーに支払われる使用料です。これは売上に対する一定の割合であることが一般的ですが、固定額である場合もあります。
非フランチャイズ(独立型)塾の買収:
- メリット:独立型の塾は、フランチャイズ料やロイヤリティの支払いが不要で、経営の自由度が高いです。自分のビジョンに従って塾を運営し、独自の教育プログラムやマーケティング戦略を実施することが可能です。
- デメリット:名前の認知度が低く、新規生徒を集めるのが難しい場合があります。また、独立型塾は全ての経営戦略を自分で考える必要があります。これは、経営経験や教育ビジネスについての深い知識がないと難しい場合があります。
上記の点を考慮して、あなたの経営資源やビジョン、市場環境などと照らし合わせて、フランチャイズ塾と非フランチャイズ塾のどちらにするか検討してみてください。
財務計画と経営資源
最後に、財務計画と経営資源を考えます。
塾の買収費用、改装費、運営費、人件費など、経営に必要な費用を詳細に計画します。
また、塾を運営するために必要なスタッフ、教材、施設などの経営資源を確保する計画も必要です。
以上のように、塾の買収を考える際には多くの要素が関わります。市場の理解、ビジョンの明確化、フランチャイズか独立かの選択、財務計画と経営資源の確保など、一つ一つを丁寧に考え、最善の選択をしていきましょう。それが、塾の成功への第一歩となるでしょう。